地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、千葉市美浜区の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

千葉市美浜区の地域情報サイト「まいぷれ」

GO!GO! 千葉ジェッツ

千葉ジェッツのクリエイティブ仕掛け人 高良和忠さんへのロングインタビュー

選手サイン入りイヤーブックなど、一気にプレゼント企画!を決行します!!

2020/08/21

オープニングフライトでは、ミラーボールが無数の光を会場に落とし、その中でSTAR JETSがパフォーマンスを行う。
オープニングフライトでは、ミラーボールが無数の光を会場に落とし、その中でSTAR JETSがパフォーマンスを行う。
オープニングフライト。
千葉ジェッツはホームゲームで試合開始約50分前に行われるパフォーマンスを、そう呼びます。
初めてアリーナを訪れた人は、まずその世界観に驚くのではないでしょうか。
クラブ名の「ジェッツ」がジェット機から来ているように、会場は空港をイメージさせる演出で埋め尽くされ、非日常空間を創出しているのです。

その演出は年を追うごとに進化し、街で見かけるポスターや、SNSに投稿される画像、開幕に合わせて発行されるイヤーブックといったビジュアルは、常にブースターの心を鷲掴みにします。
またシーズン終了時にパートナー企業(スポンサー企業)へ配られる報告書もまた、「資料」にとどまらず、一年を振り返るビジュアルとして作成されています。

クラブの成長に欠かせないビジュアル面の成熟。
空間デザインもさまざまなクリエイティブも一手に引き受ける仕掛け人、高良和忠(たからかずただ)さんにお話をうかがいました。

(このインタビューは、新型コロナウイルス感染症拡大前に実施しました)

寄り添うこと。問いかけること。クリエイティブに込める想いとは?

クリエイティブディレクター・アートディレクター・デザイナー 高良和忠さん<br>「WEBのバナーやSNSで使う画像、会場の装飾物、営業のスポンサーの報告書、ほかクリエイティブと名の付くものはすべて担当しています」
クリエイティブディレクター・アートディレクター・デザイナー 高良和忠さん
「WEBのバナーやSNSで使う画像、会場の装飾物、営業のスポンサーの報告書、ほかクリエイティブと名の付くものはすべて担当しています」
― クリエイティブを一手に引き受けているとのことですが、ご自身が手を動かすのですか?

そうですね、外注化はあまりしません。膨大な量を作っているので、作るのが速くなるように努力しています。誰も気づかないようなところにこだわり続けると終わらなくなるので、一番いい塩梅のところでストップをかけます。

― そのストップをかけるラインは、ご自身の中に基準があるのでしょうか。

あります。かといって、決して妥協はしません。ある一定の基準まで持って行けば、まず自分が安心するじゃないですか。そこから詰めていく時間を見ておいて、例えば時間で区切って終わらせたりします。それまでに結果が出なかったら自分が悪い。それ以上やっても変わらないだろうと思っています。
選手やスタッフの誕生日にSNSで発信される「ハピバ画像」も高良さんの制作
選手やスタッフの誕生日にSNSで発信される「ハピバ画像」も高良さんの制作
― その最初の基準点まで持って行くのが速いのですね。

そうですね。その先のほうが長いですから。基本的に人はビジュアルを見るので、レイアウトはこだわりすぎなくてもいいと思っています。簡単に言ってしまえば、パッと見ていいなと思ってもらえれば、その時点で合格です。そういう意味では、たとえばポスターなどのクリエイティブなら、まず思い描いた写真を撮ってもらうことです。それができれば、それだけで合格点まで達します。

― クリエイティブ担当として、一番大事にしていることは?

媒体によって違いますね。演出だと、いいなと思うまで時間がかかると思うのです。ライブでも始まりがいいか、ジワジワよくなるか、アーティストによると思います。ジェッツも同じで、ワッと瞬間的にいいと感じるか、徐々に良さが浸透するか。例えば、会場に入ったときにスタッフの対応がよいこと、それが演出だと思う人もいます。そう考えると、これはジワジワ系にしようとか、これは最初のインパクト系にしようとか、その都度考えて変えていく必要が出てきます。

― その見極めがすべて高良さんのお仕事ということですか?

はい、そうですね。

― それが正解か否かその時点ではわからないと思うのですが、あとから振り返るのでしょうか。

こうすればよかったと思うことはありますけど、それは来年にとっておいたり、次に活かしたりします。一歩一歩あがっているイメージです。だから少し前のものを見ると、なんでこんなことやっているんだろうと(笑)。そのくらい回転はあげています。
良し悪しよりも、見てて苦しくないものを作りたい。でもシンプルだからいいというわけでもなく、問いかけが必要だと思っています。一番尊敬しているイッセイミヤケさんが、「かっこいいファッションもいいけど、問いかけが必要」とおっしゃっていました。寄り添えて、お互いに一言ずつ交わせるものがないと。イッセイミヤケさんから学んだことは多いですね。尖っていてかっこいいものは受け入れられないし、「ださかっこいい」とか「きもかわ」とか、そういうものが女子に受けたりします。そういうことも考えているから、同僚に女子力が高いなんて言われちゃうのかもしれないですね。

日頃から知識を蓄え、引き出しを増やし、デザインの幅を広げる

― デザインの道を目指したきっかけは?

東京農業大学を出て、専門学校でデザインを学んだあとに、制作会社に入り、ジェッツに転職しました。
大学まではバスケの推薦で進学できたのですが、3~4年になったときに、仮にバスケを続けて実業団に入れたとしても、試合にさほど出るわけでもなく、10年位で引退して、その先好きでもない仕事をするのは嫌だと思うようになりました。昔から絵を描くのが好きで、高校のときからデザインが好きだったこともあり、親に無理を言って大学卒業後に専門学校に行かせてもらいました。

―デザインはいろいろな分野がありますが?

ファッションかグラフィックかですね。ギリギリまでファッションの道を考えていましたけど、どこかでコロっとグラフィックにいきましたね。今でもファッションは好きですけどね。デザインをやり始めてから、自分は変わったと思います。それまでは本当に自己中心的で、自分のやりたいことしかやらなかった。

― 意外です。礼儀や考え方では、古風な一面をお持ちだという印象があります。

古風と言えば、知っておいたほうがいい知識というものはありますよね。対峙するクライアントが僕よりも年上なので、知っておきたい。デザインも同じで、クライアントごとに提案の幅が広がるように、日夜ストックして引き出しを増やしています。いざというときにできるように、普段からやっておかないといけない。僕の仕事は、日頃から考えていなければ、いざというときにアイデアは出てこない。昔から「口から先に生まれた」って言われていたので、それはよかったのかなって(笑)。

― 見た目は無口そうですが(笑)。そういう意味では、この仕事は天職ですか?

そうかもしれないですね。だから自分で手を動かすんじゃなくて、デザインについて理路整然と語って、表現は他の人に任せておいたほうがいいんじゃないかと思うことがあります。だから今はディレクターのほうが面白くなってきています。手を動かすディレクターにはなりたくない。でも自分でもデザインはできて、自分でも考えることができて、自分でもプレゼンテーションができるのが、理想とするディレクターではないかと思います。

当たり前の水準を上げて、他クラブをけん引しようと臨む

― Bリーグ初年度から千葉ジェッツに。転職なさった理由は?

前職で同僚だった三浦(イケメン広報・三浦一世さん)から誘われたことがきっかけです。5年8か月働いて、仕事でもストレスがたまるようになっていた頃で、転職先を探していました。実は7社ほど落ちて次を探していて、そんなときに誘われました。三浦が先に転職して、「バスケの仕事ができていいな」というようなことを言っていた記憶があります。ただ、チラシやバナーだけをひたすら作るような仕事だと思っていたので、最初は乗り気ではありませんでした。

― 実際に入ってみたら、仕事の幅が広かったということですね。Bリーグ初年度ということで、まだバスケにスタイリッシュを求める風潮もあまりなかったですよね。

はい。だから自分が変えていけばいいやというのはありましたね。

― その頃、こう変えたいというのはありましたか?

当たり前の水準を上げようと思いました。ジェッツがリーグをリードする存在ということはわかっていたので、クリエイティブの面でも上を目指して、他クラブをけん引するくらいにならなければと考えました。だから今でも危機感だらけです。周りがいいデザイナーに発注したら負けるだろうなと思って。

― シーズンごとに、こういう方向性にしようというのはどうやって決めるのですか?

クリエイティブをすべて担当するようになった初年度に、たまたまの出会いで書を取り入れました。ファッションは春夏秋冬でドンドンかわります。その感覚でアーカイブをどんどん作っていけば、5年前のジェッツはこんな感じでしたって見返せます。そうやって重ねていって、いつかあのときのジェッツをまたやろうみたいに、いろいろなものを作っていければ、みなさんに飽きられることもないし、チャレンジングでいいなと思いました。
だからとにかくいろいろなことに挑戦しようと思って、街中で見つけたものにヒントをもらうこともあります。クリエイティブを専門にするスタッフはいなかったので、最初は三浦とも相談しながら、割と自由にやらせてもらうことができました。あまりバスケ色が強くても面白くないなと思っています。写真がよくて、ある程度技術があればみんな同じになってしまいますから。そうなることが一番つまらない。とにかくバスケとどう結びついたら面白いかなといことを、日々考えています。日常生活の中にヒントがたくさん隠されていますから。

可能性は無限大! オフィシャルイヤーブックはチームとしての決意表明

毎年イメージを変え、個性を際立たせるオフィシャルイヤーブック
毎年イメージを変え、個性を際立たせるオフィシャルイヤーブック
― オフィシャルイヤーブックを一緒に作らせて頂いていますが、地域がテーマだった翌年にイラストに変えるなど、大胆な展開が魅力的です。

会社の方針もありますが、社内の雰囲気が影響している部分もあります。地域への想いを忘れているのではないかと言われていた時期があり、だから地域をテーマに掲げました。地域ってなんだっけ?というのを、ビジュアルで出したかったのです。ビジュアルはわかりやすいから、選手にも、ブースターにも、パートナー企業にも、そして社内にも、メッセージ性として推しました。
完全に自分たちを出すことなく負けて、リーグが終わってしまったあのファイナル。後から追いついても、それでは遅い。それは社員も同じで、思っていることがあれば言えばいいし、ぶつかって解決すればいい。そういうことを感じた時期があって、内に秘めている場合ではないぞというメッセージを込めました。

― 前のシーズンはイラストがメインでしたが、あのイラストレーターさんとの出会いは?

知り合いのディレクターに頼んで、そこからイラストレーターに発注をしました。実は、イラストレーターさんとは、いまだに会ったことがありません。会ってしまうと、僕の顔を想像して仕事しちゃうじゃないですか。それがいやで、信頼するディレクターに頼んで、進めていきました。

― イヤーブックがそうであるように、会ってから創り始める方かと思っていました。

そうです、会う派ですね。顔見ないと仕事できないタイプです。
ただイラストは自分で描けるわけでもなくて、あがってきたのを見て、それに対して修正を加えていけばいいかなと思って。実際、スムーズに進められました。

― 前年度の地域性からガラッと変わり、イヤーブックの表紙をイラストにするのも冒険だったのでは?

冒険でもないですね。ジェッツにいると、普通です。来年どうなるんだろうってワクワクするのと同じで、普通のがあがってきてもジェッツらしくない。なんだこれ!のほうが、よりジェッツらしい。可能性は無限大です。

― 高良さんにとって、イヤーブックというのはどういう存在ですか?

1シーズン通して、最初にしか出ないのがイヤーブックです。想い出の写真集みたいに、選手もブースターさんも最初は期待をして見て、その通りだったり、いいほうに間違っていたり、悪いほうに間違っていたりすると、もう一度見直す。選手にとってもフロントスタッフにとっても、ある意味原点です。今年こうしますの宣言であり、デザインもそれに伴ったものが会場中にあふれているわけです。でもそれはまた次のシーズンがくれば変わります。

― チームとしての、今シーズンの決意表明の意味があるということですか?

そうです。だから文男(西村文男選手)がキャプテンになったときには特集を組むし、チームスタッフも増えたので何をやっているか知ってもらうために特集を組む。そして、最終的にジェッツで働きたいと思ってもらえたら嬉しいです。
コートを彩るプロジェクションマッピングと、音楽、MC RISUKEさんの声が、会場のボルテージを高める。
コートを彩るプロジェクションマッピングと、音楽、MC RISUKEさんの声が、会場のボルテージを高める。

正解のない「ジェッツらしさ」を毎日探している

炎を使った演出。床へのリフレクションが美しく、それでいてド迫力!
炎を使った演出。床へのリフレクションが美しく、それでいてド迫力!
― ホームゲームの会場はグラフィックデザインとは違って、空間のデザインになりますね。目指している世界観を教えてください。

理想を実現させるのは難しいと思っています。船橋アリーナというものに足していくしかないわけで、空港のイメージになるように頑張ってはいますが、限界があります。だから新しいアリーナができるときが、いいタイミングだと思っています。それまでは、それに至るまでの努力をするしかないという想いです。新アリーナができたときに体現できるよう、バスケとどう融合させるかヒントを探しています。だから矢印も空港と同じようなデザインにして、見せ方も工夫して。現状は、こういうのが飛行機のイメージに使えるんじゃないかというのを探している状態です。

― 試合会場の非日常空間はワクワクしますよね。

ワクワクしますね。僕も初めて行ったときはお客さんでした。もう一度お客さんとして行きたいんですよね。いつもコントロールしている側だからよくわからない。

― 試合のある日は、アリーナMCのRISUKEさんの隣に張り付きですもんね。

そうなんですよ。お客さんで入ると、演出がどんなふうに見えるのか知りたいですね。

― 他会場は見に行きますか?

行きます。どのくらいのことをやってるんだろうなって、見ちゃいますね。チケットを買って、気持ちをニュートラルにして、観客目線に立つようにしています。

― 年々、ほかのチームの演出も華やかになってきていますね。

そろそろ、ジェッツもやばいですね(笑)。もうプロジェクションマッピングしている場合じゃないかもしれない。
― 次は何を仕掛けるのですか?

何をやりましょうか。見た目を変えたいですよね。いま日本代表戦を見ても、広告がベンチの前にあるじゃないですか。リーグの規定はありますが、ああいったこともトライしたいし、もっと面白くしていきたいと思っています。

― これからも新しいことを取り入れていくんですね。

そうです。取り入れます。その節だけのものよりも、1シーズン通して、そうしてよかったなと思えるものをやっていきたいです。

― そのときに軸とする考え方はどういったことでしょうか。

「ジェッツらしい」ということを毎日探してますけど、いまだに見つからないですね。例えば私服の学校があったとし、またあんな格好しているなっていう子がクラスにいたら、それがジェッツです。政治家でも、言ってること正しいし、結果も出してるけど、なんだか鼻につくとか。ジェッツってなんだろうというのは、永遠の課題だと思うし、そのほうが楽しいですよね。正解はないわけですから。新しい選手が来るときも、かっこいいチームに入ったじゃなくて、あの選手はジェッツでどうなっちゃうんだろうって、そんなワクワクがあってほしいと考えています。

― これが成功というのは、お客さんが楽しむということですか?

成功ということを考えるなら、活動理念である「千葉ジェッツふなばしを取り巻く全ての人たちと共にハッピーになる」ということだと思います。そのためにジェッツがあるということです。

― 100年続くジェッツを考えるとき、アートディレクターとして、近い将来こんなことやってみたいという夢はありますか?

僕は昔から夢を持たないんですよね。今を一生懸命生きたいなと思っていて。小学校の多賀校長先生が(笑)、「今を一生懸命生きよう」って、そう言ってたんです。デザインの専門学校に入ったものの、ずっとバスケだけをやってきたので、他の人よりもデザインが劣るわけで、そういうときにその言葉を思い出していました。夢を作って頑張るのはかっこいいと思うのですが、自分らしくないし、叶わないのも不本意です。いま何をやっているんだっけって、毎日そう問い続けたほうがいいと思っています。

― 夢ではなく、目標はどうでしょうか?

それはありますね。いろいろな目標を一つひとつ成し遂げていく。あとは死ぬ手前まで仕事をしていたいです。病室で、部下が「これどうしたらいいですか?」って聞きにくるような、そんなことを思い描いています。
ライティングでイヤーブックの制作に携わるとき、いつも最初に打ち合わせを行います。寡黙でこだわりの強い方かと、ドキドキした初対面の日を今でも覚えています。打ち合わせを始めたら、本当に共感できることばかりで、理解しやすく説明をしてくださったからです。進行中も、私が仕事をしやすいように気を遣ってくださって、同時に声を上げてしまうほどにインパクトの強いデザインの校正紙が次々と送られてくるのです。
この日は、ローストビーフが美味しすぎて、なぜかそこから「しょっぱいのがダメ」という話に。「おにぎりの具は、鮭はダメだけといくらはOK。甘いものは好きだけど、あんみつはダメ」と、私には理解できないこだわりも……。「パフェは絶対にイチゴ。イチゴは永遠に食べられる」と、見た目からは想像つかないお話に、何度爆笑したことか。
今シーズンのビジュアルイメージも、着々と進んでいるようで楽しみです。

インタビューをしたお店は“ 6sense Resort”

京成船橋駅より徒歩1分。コスパ抜群のおしゃれ空間。
ローストビーフが美味しく、フルーツをカットしたドリンクも爽やかで絶品でした。
ランチあり、昼のみOK、貸し切りOK!

詳しい情報や場所などは、こちらからご覧ください。

6sense Resort
シックスセンスリゾート

https://funabashi.mypl.net/shop/00000357203/

PICK UP 千葉市美浜区のお店 ~グルメ~

  • 株式会社オランダ家

    株式会社オランダ家

    千葉市美浜区新港211

    [ 和菓子・洋菓子製造メーカー ]
    本物の美味しさをお届け! 昭和の時代から愛される 千葉の手土産

人気のキーワード