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《後編》「ジェッツブースター最高です!」大野篤史ヘッドコーチに叫ばせたもの

「千葉ジェッツを強くしたのは僕ではない。みなさんが強くした。その歴史を忘れずに」

2022/06/30

千葉県初のプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツ」の情報をお届けする千葉ジェッツ公式応援サイトです。どのメディアよりも熱く深い愛情を持って取材記事を更新していきます。
パートナー感謝祭直前。珍しくシャツ姿で、いつもの“あつしスマイル”
パートナー感謝祭直前。珍しくシャツ姿で、いつもの“あつしスマイル”
B.LEAGUE2021-22シーズン限りで、大野篤史ヘッドコーチが退団する。最後となった試合できちんと御礼が言えなかったことと、最後にお話を伺いたいという想いから、取材をお願いした。6月2日に開催されたパートナー感謝祭の前に、控室で時間をいただくことができた。

「ジェッツのブースター最高です。ありがとうございます!」

選手の話を笑顔で聞く大野HC
選手の話を笑顔で聞く大野HC
――船橋アリーナで行われたブースター感謝祭で、「ジェッツのブースター最高です。ありがとうございます!」とおっしゃっていましたね。

勇樹(富樫勇樹選手)の挨拶を聞いていたら泣きそうになっちゃって、考えてた言葉が全部ぶっ飛びました(笑)。だから、最初に天皇杯で優勝したときに言ったのと同じ言葉を、「ジェッツブースター最高です!」と、そう叫びました。

――ブースターさんの発案である「あつしありがとう」も掲げられていました。

辞めていく人間にああやって「ありがとう」って言ってもらえて、本当に感謝しかないです。逆に僕がブースターさんに「ありがとう」って言わなきゃいけない立場なのにああやって送り出してくれて、感無量です。

――本当はブースター感謝祭で何をおっしゃる予定だったのですか?

感謝の気持ちを、ちゃんと伝えなければいけないと思っていました。このチームを強くしたのは、僕でもないし、選手でもフロントスタッフでもない。僕らが何の価値もなかったころから支え続けてくれた地域のみなさんやスポンサーのみなさん、ブースターのみなさんが諦めずに支え続けてくださったおかげで、僕たちはこうやってバスケットに専念することができました。それに対して僕たちが少しずつ恩返しをしてきたということなので、まずそれを伝えたいと思っていました。ホームゲームで7つのフラッグを掲げることができて、でもそれは僕たちが頑張ったからではなくて、ブースターさんに背中を押してもらって掲げられたものだということを、最後に自分の言葉で伝えたかった。でもダメでしたね(笑)。ほんとに泣きそうだったから(笑)

「千葉ジェッツを強くしたのはみなさん。その歴史を忘れてはいけない」

天皇杯初優勝の夜。佐藤博紀さん、金田詳徳AC(当時)と最高の笑顔を見せた。
天皇杯初優勝の夜。佐藤博紀さん、金田詳徳AC(当時)と最高の笑顔を見せた。
――プレスリリースに書かれたコメントが、お手紙のような長文でしたね。

そうですね。僕が書いた語り掛けを、イケメンン広報が流してくれたことに感謝しています。そしてブースターさんに届いてほしいと思っていました。6年何をやっただろうと振り返ったら、書くことがいっぱいあるなって思ったんですけど、まずヒロ(佐藤博紀さん)のことは言いたかった。彼が横浜に来て、チームを立て直てほしいしと訴えるように言ってくれなければ来ることはなかったし、1年目にたくさん負けたときにも僕を信じてくれて、救われました。だから初めて天皇杯で優勝して、「ほらね」って言ってくれて自信がつきました。だから彼にはまず感謝を伝えたいと思いました。もちろん彼だけじゃなくてフロントスタッフとの思い出も書けばよかったんだけど、あんまり長いとウザいと思われるから(笑)。選手にもブースターさんにもパートナーさんにも感謝を伝えたくて、あれくらいの長さになってしまいました。

――ヘッドコーチという旅を続けたいと書かれていましたが、その「旅」に込められた意味は?

ヘッドコーチとは違う仕事をしたかったという気持ちも……、ちょっと疲れた(笑)。というのは実際あったけど、また新しいチャレンジができることになりました。それが旅ということです。もちろん来年も千葉ジェッツに残るという選択肢はありました。でもあのベンチに座り、責任をとるポジションにいるためには、僕がみんなに対して誠実に向き合うマインドが必要です。そのマインドがいまの自分にあるか考えたときに、それは違うと思いました。だから他からいいオファーがあったということではなく、このチームで6年間言い続けてきたことへの責任に対して、僕なりにけじめをつけたいと思ったということです。

――6年間言い続けてきたこととは?

千葉ジェッツは市民球団だと、僕は今でも思っています。僕たちの原資としてパートナーさんが投資してくれていることに対して、僕たちは責任を持たなければいけません。もちろんブースターさんが高いチケットを買ってくれて、僕たちがコートで果たす責任があることを言い続けてきて、選手たちもそれを理解してやってきてくれました。千葉ジェッツを強くしたのは、みなさんのおかげです。そういう歴史は、忘れてはいけないものだと思います。最後は本当に勝ちたかったし、笑って終わりたかったです。

「僕は希望を配る人。僕に希望も夢もなければ、誰にも希望や夢を持ってもらえない」

ベテラン大宮宏正選手への信頼も厚く、「早く足を直せ」の指差しも微笑ましい。
ベテラン大宮宏正選手への信頼も厚く、「早く足を直せ」の指差しも微笑ましい。
――今シーズン振り返ってみて、どんなシーズンでしたか?

シーズンのはじめは上手くいかないことから始まって、そこから解決策をみんなで見つけて、ステップアップしようという姿勢が見えました。コントロールできない部分で後退しなきゃいけない時期もあったし、その中で勝つために、支えてくれる人のために何ができるのかを一生懸命やりきったシーズンだったなと思います。
新しく入った選手も溶け込むのが早かったし、3年前に苦しんだ前半戦よりも良かったかなと思いますし、チームの成熟度があがりました。ああすればよかったということは毎年あるものですが、今年はもう少しトランジションのところの意識をフリーにプレーさせたほうが彼らにとってはオフェンスがやりやすかったのかなと、シーズンの後半に思っていました。でもそこまでに成長した部分も見えたし、そこから直すという勇気もなかった。そこは僕が役割にこだわりすぎたかなと。誰かにシュートを打たせるとか、チームとしてオフェンスを構築するということに重きを置きすぎて、彼らの持っているイマジネーションを削ってしまったかなとは思っています。

――難しい質問かもしれませんが、6年間で思い出に残っていることは?

えーー、いっぱいあるよ(笑)。でもやっぱり、リーグ優勝したときかな。みんなの努力が報われたし、5年間待ち望んでいたし、何の価値もないときから支えてくれた人たちに、やっと一つの恩返しができたなと思っています。それが一番の想い出かな。

――リーグ優勝を果たしたときにご自身をほめてくださいとお願いして、「10か月間よく頑張ったね」とおっしゃっていました。この6年間を振り替えて、自分をほめてあげたいことは?

自信を持って言えるのは、やりたいとか作りたいとか思っていることを、言い続けられたことです。そこに到達できたかどうかは、実際僕にはわからないけれども、千葉ジェッツってどういうチーム?って言われたときに、6年前には出なかった答えが、いまはあるんじゃないかなと思っています。

――“Be Professional”という“JETS Spirits”、そのスタンダードをあげるという意味で“Push the JETS Standard”とおっしゃっていました。

1年目より2年目、2年目より3年目と、少しずつ選手のマインドが変わってきたし、千葉ジェッツの評価も上がったと思います。それに対しては、どこで満足するのかはわからないけど、言い続けてきたことが……、いや言い続けてきたこと「だけ」かな(笑)。僕はね、船頭だから。僕は希望を配る人で、僕に希望も夢もなければ、誰にも希望や夢を持ってもらえない。本当にやりたいっていう意志を見せることが僕の仕事で、それを選手が感じてくれたと思っています。

「コーチとしての喜びをたくさん経験できた6年間でした」

ついにトロフィーアップを実現させた2020-21シーズンのリーグ制覇!
ついにトロフィーアップを実現させた2020-21シーズンのリーグ制覇!
――「原選手が成長して嬉しい」とおっしゃていたことがありますが、選手たちの成長は嬉しかったことではないですか?

うん、嬉しい。コート内だけじゃなくて、普段の言動でも成長したと感じます。前も言ったけど、コーチは選手の成長を見るのが喜びだし、その成長した選手が試合に勝つ瞬間を見るのが喜びだし、そういうことをたくさん経験できた6年間でした。髪の毛も真っ白になったしね(笑)。

――ところで、コーチじゃないとすると、将来的には?

将来的に? ゆっくり暮らしたい(笑)。千葉ジェッツに来るとき、次男は幼稚園児だったけど、いま小学校6年生になったわけで、その成長過程は見られなかったことに後悔はあります。辛いし、泣いちゃうよね。

――その6年間、ヘッドコーチとして最初にお話を聞いたときから今まで、おっしゃることがまったくブレなかったのがとても印象的です。

本当ですか? それを作りたくてここに来たので。

――この6年間で構築したカルチャーが、この先ずっと続くことを願っています。

僕もです(笑)。願わくば壊れないでほしいなと思います。

――6年間、本当に本当にありがとうございました。


次のシーズンが幕を開ける明日、2022年7月1日より、大野篤史HCの新たな旅が始まる。いつか船橋アリーナに、アウェイチームのヘッドコーチとして立つ日が来るかもしれない。聖地・船アリに帰ってきたときは、大野HCが根付かせたカルチャーを引き継ぎ、より一層成熟したチームの姿をお見せしたい。それが大野HCへの礼儀だから。そのためにも、新たなチームの魅力をみなさんに伝える役割を担いたいと、そんなことをいま考えている。

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