九十九屋さんたの妖怪古今録
今ではさほどではありませんが、風邪や咳といった病気は恐ろしいものでした。風邪は万病の元といいますが、それによって奪われてしまう体力が、他の病を招くことが多かったからです。さらに風邪そのものも悪化して肺炎となり、命を奪われる物もすくなくありませんでした。中でも、子供がかかる咳の病は、恐れられていました。
そのため咳止め、風邪止めの神が広く信仰されました。
痰咳大明神、カザ神、シャビキの神様、ジャビン石、ババ神様、咳の婆様など様々ななで呼ばれる神様たちは来歴がわからないものも多いですが、大きく分けて3つの系統があります。
もともと神である場合と人である場合です。これはもともと子供を守る乳母(姥)神といわれたものが、子供のかかる時が多い咳に特化していったというもの。
人間が恩返しで神になったというものです。亡くなった方が、死して後、神となって人々を救うというものです。咳に悩まされた人や、行きずりで村人に救われた後というパターンが多いです。
自然石。この岩に祈ると治るなど言われて、来歴のよくわからないものです。もともとは石そのものに信仰があったのが忘れられたもののようです。
もう信仰されることもなくなってしまい、どこにあるかわからなくなったり、誰かに持ち去られてしまったりしたりするものが多いのは悲しいことです…
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