編集部のつぶやき(千葉・船橋・市川・習志野・鎌ケ谷・松戸)
(更新)
明治5年の歴史的建造物。店主の森田さんに、これまでの思い出などをお聞きしました

2025年2月の森田呉服店の外観
JR船橋駅から徒歩8分。船橋市本町通りで150年以上にわたり親しまれてきた森田呉服店(船橋市本町4-36-14)が、2025年3月7日に店舗営業を終了することになりました。
建物の老朽化という避けられない現実と向き合い、新たな一歩を踏み出すことを決断した5代目店主の森田雅巳さんに、これまでの歴史や思い出などを伺いました。

昭和30年代に撮影された森田呉服店 提供:右島薬局
江戸時代末期に創業した森田呉服店は、現在の場所の隣にあった本家から独立したそうです。現在の建物は明治5年(1872年)に建てられ、150年以上もの間、船橋本町通りの歴史を見守ってきました。
現在の5代目となる森田さんは、昭和51年頃、23歳からお店に携わってこられました。
森田さん 「この建物には、家族や地域の皆さまとの大切な思い出がたくさん詰まっています」

耐火建築工事が行われた後、昭和33年(1958年)の船橋本町通り(提供:川守銀太郎氏)
昭和30年代、本町通りは大きな変化の時期を迎えます。歩道の整備が始まり、建物のセットバックが行われました。当時、工事のため各店舗は仮店舗に移動し、工事が終わると戻るという作業を繰り返したそうです。
森田さん「周りが全部工事現場で、カンカンという音が印象に残っています。本町通りの大きな転換期でしたね」
まちの大きな変化の中でも守り続けてきた歴史ある建物。その当時の記憶とともに、本町通りの様々な移り変わりを見守ってきました。
そんな本町通りで、森田さんは若い頃から商店会活動に参加し、地域のつながりを大切にしてこられました。
現在は船橋市本町通り商店街振興組合の理事長も務めながら、商工会議所や法人会などの活動を通じて地域との絆を深めています。
2013年には店舗のリニューアルを行い、手ぬぐいを中心とした品揃えへと変更。
着物需要の変化に合わせて、時代とともに商品構成を柔軟に変えながら、商いを続けてこられました。
店内には、船橋のご当地柄やユニークな柄など約400種類もの手ぬぐいが並び、多くのお客様に親しまれてきました。窓際に飾られた手ぬぐいを眺めながら、森田さんは印象深い商品について語ってくださいました。
森田「船橋市内の町名を集めて手ぬぐいの柄にしたのです。習志野台や前原、三山など船橋にはたくさんの町名があり、地元の方から手土産として喜ばれましたね」
船橋の地名をモチーフにした手ぬぐい(右上)
築150年を超える建物は、近年、雨漏りが深刻になってきました。耐震性の面でも不安が増し、リフォームも難しい状況に。
長年愛着のある建物だけに心苦しい決断でしたが、安全面を考えると避けられない選択だったそうです。
森田さん「長い歴史のある建物を失うのは本当に寂しいことですが、将来のことを考えると避けられない選択でした。この場所を守り続けていくためには、私の代で決断するしかありませんでした」


5代目の店主森田雅巳さん
店舗での営業は終了しますが、長年のお客様との大切なお付き合いは継続していくそうです。また、商店会活動も続けていく意向とのこと。船橋をモチーフにした思い出の手ぬぐいは、今後も何らかの形で皆様にお届けできればと考えているそうです。
森田さん「この構えのお店だからこそ、たくさんの取材やテレビ番組にも出していただいて、おかげでいろんな方との出会いがありました。
これからは商店街のお手伝いをしながら、少しゆっくりとした時間も過ごしていきたいですね。店をやめても、商店街の活動はしていこうと思っています。長年お買い物していただいたお客様とは、本当に一緒に店を育ててもらったという思いです。店をやめるにあたって、申し訳ない気持ちですね」
建物は6月頃から建て替え工事が始まる予定です。新しい建物に姿は変わっても、森田呉服店が紡いできた記憶は、新しい形でこの街に残り続けていきます。
インタビューを通して、本町通りの皆様やお客様への感謝の気持ちが溢れ出るように伝わってきました。創創業150年以上の歴史とともに、たくさんの思い出が詰まった建物ともまもなくお別れです。

手ぬぐいや和装小物が並ぶ、風情あふれる店内
現在、森田呉服店ではお客様への感謝の気持ちを込めて、店内商品をすべて半額割引で販売しています。手ぬぐいやハンカチ、着物バッグなどの和装小物を取り揃えています。船橋の歴史ある老舗呉服店で、最後の思い出作りにぜひお立ち寄りください。
まいぷれ編集部も、森田さんの新たな出発を応援しています!

令和2年(2020年)撮影の森田呉服店
| 店舗名 | 森田呉服店 |
| 住所 | 船橋市本町4-36-14 |
| アクセス | JR船橋駅より徒歩8分 |
| 営業時間 | 10:00~19:00(定休日:水曜日) ※2025年3月7日で閉店 |
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
この記事に関するキーワード
千葉市美浜区ひび野1-9 スーク海浜幕張3階
[ 和食居酒屋 ]
海浜幕張駅すぐ! 厳選したお米を使った新感覚のネオ和食居酒屋
千葉市美浜区新港211
[ 和菓子・洋菓子製造メーカー ]
本物の美味しさをお届け! 昭和の時代から愛される 千葉の手土産